「名誉男性」はSNSが由来なわけではない?
今回は、最近またちょっと話題に出ることが多くなった「名誉男性」という言葉です。
皆さんは、SNS上では「名誉男性」がどのような意味合いで使われるのを目にするでしょうか?
ソーシャルアクティビストとして著名な石川優実さん(@ishikawa_yumi)さんは、自らのツイートで、
「女性差別をしている男性社会によりそうような言動をする女性」
と、表現されていました。
しかし、この「名誉男性」とは、はっきりした定義がある言葉なのでしょうか?
そもそも、いったい誰が使い始めた言葉なのでしょうか?
色々と調べてみた結果、語源も含めて色々と面白いことがわかりました。
「名誉男性」の起源はなんと3500年前?!
著名なフェミニストさん達が使っているということは、もしかして海外由来なのでは?と思い調べていたところ、英語版のWikipediaに一つの記載を見つけました。
それが、ズバリ「Honorary male」という言葉でした。
<参考>
https://en.wikipedia.org/wiki/Honorary_male
「honorary」は、(称号などを)名誉的に与えられた、という意味の形容詞です。
一般的に使われるものとしては、「an honorary degree(名誉学位)」、「an honorary member(名誉会員)」といった感じです。
元々の意味合いとしては、
「家父長制度が根付いた社会の中で、男性と同じ権利や発言権を与えられ『名誉的な男性』として男性側からも認められた女性」
といったもののようです。
そして、その始祖と呼ばれる人間がいたのは、なんと紀元前1500年!
古代エジプト王朝 古代エジプト第18王朝において、女性で唯一ファラオ(王)の座に就いたと言われる、ハトシェプストという方です。
(古代エジプト王朝につきご指摘をいただき修正いたしました。ご指摘ありがとうございました![2021/05/18])
諸説ありますが、早逝したファラオ・トトメス二世の妻であった彼女は、夫の遺言により王の座を任された幼き息子、トトメス三世が即位できる年齢に達するまでの間、実に20年以上に渡り、統治の実務を行なったと言われています。
彼女が統治していた時代のエジプトは政治でも軍事でも他の時代に比べて安定しており、加えて彼女の政治のおかげで、女性たちは以下のようなことを許されるようになったそうです。
・自分で自分の職業を決定する
・好きな人と結婚する
・自らにとって有利な婚前の約束を結ぶ
・夫と離婚する
・不動産を所有する
・聖職者になる
女性の権利を拡充するために働いた女王、いわばフェミニストの先達と言っても過言ではないのではないでしょうか。
実に3500年も前に、そのような考えを持った女性が、女性のために戦ってくれていたことに素直に感嘆したいです。
彼女の後にも、「名誉男性」と呼ばれた女性たちは、歴史上でも活躍を残しています。
他に有名なところでは、イギリスのエリザベス一世などですね。
「名誉男性」の対義語は「女性らしい女性」?
前述の通り、「名誉男性」と呼ばれた女性は、女性にとってより良い世の中を作るために尽力した、いわば社会で活躍する女性の先駆者と言えるでしょう。
しかしそれは、その当時では女性を寄せ付けようとさえしていなかった男尊社会で勝ち抜くために、あえて男性的な振る舞いや働き方をしなければならなかったことも否めません。
女性ファラオ・ハトシェプストも、人前に出る時は男装をして付け髭をつけていた、という説もあるようです。
そしてそれは、前述の石川優実さんが仰ったような、
「女性差別をしている男性社会によりそうような言動をする女性」
であったり、荷宮先生の言葉のように
「女ならば抱いて当然の、いや、人間ならば抱いて当然の、素朴で自然な感情を切り捨て、心を閉ざし、死んだふりをして」
という話に繋がり、つまるところ、そのように振る舞う「名誉男性」は、現代のフェミニストからは恥ずべき存在だと扱われているのだと見てよいでしょう。
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